デジタル広告の仕組みを説明してみる
広告の仕組みを自分でも説明できるようになりたい。
サービス事業者が広告出稿する時
サービス事業者が自社サービスへの集客をしたいときに、広告を出稿します。
大まかにステークホルダーを分けると下記のような3つに区分することができます。
(業界的にはもっと細分化されていますが、ここではシンプルにこの3つの区分で説明していきます。)
- 広告主(サービス事業者、クライアント)
- 広告代理店(もっと細かくわけると総合代理店、運用代理店、ASP、メディアレップなど多様です。)
- メディア(Gunosyのような大きなプラットフォームから個人ブログまで多種多様です。)
一般的に広告主がKPIとするのはROASやCPAです。
ROAS(ロアス)とは
ROASというのはかけた広告費に対する売上のパーセントです。
例)
10,000円の広告費を使って50,000円のモノが売れた場合のROASは500%です。
※この場合、顧客獲得単価(CPA)は10,000円ということになります。
計算式は「売上÷広告費×100(%)」です。
このROAS500%というのは逆にいうと売上に対して広告費が20%である状態にあります。
事業計画書やPLなどで数字を作る場合、広告費・販促費の設定をするかと思いますが、この適正値は業種・業態によって異なると思います。
また重要なのはROASは全体の広告予算と売上で絶対的にみるだけでなく、チャネル毎のROASを相対的に見て広告効率を判断していくものだということです。
例)
リスティング広告経由のROASは500%だけど、Instagram広告経由のROASは250%だ
これだけをみるとリスティングの方が広告効率の良い媒体だと判断できます。
しかし、次に課題となってくるのは獲得ボリュームです。
例)
顧客単価が同じ50,000円で下記のような獲得ボリュームだった場合
リスティング経由の顧客獲得:月間50件(売上は50件×50,000円=2,500,000円)
Instagram広告経由の顧客獲得:月間100件(売上は100件×50,000円=5,000,000円)
広告主の目線としては、ROASが高いリスティングだけを行っていても総売上が伸びていきませんので、ROASの低いInstagram広告を実施して売上を作っていく必要がありますね。
CPA(シーピーエー)とは
CPAとは顧客獲得単価のことで、1人の顧客を獲得するのにかかる平均単価のことです。
例)
リスティングの広告費:500,000円
Instagramの広告費:2,000,000円
上記の例を使用すると広告費500,000円を使用して50件の顧客獲得をしているので、
リスティング経由でのCPAは10,000円です。
同様にInstagram広告経由では広告費2,000,000円を使って100件の顧客獲得なので、
Instagram広告経由でのCPAは20,000円となっています。
計算式は「広告費÷顧客獲得数」です。
CPAが低い方が獲得効率がいい媒体と言えます。
一般的に広告代理店はCPAをKPIとして見ることが多いのですが、
広告主の目線に立つと本質的にはCPAだけで判断をするのではなく、ROASで判断をしていかなくてはなりません。(もっというとROIなどの指標を見なければなりませんが、ここでは広告の話なので省きます。)
しかし、ROASを求めるためには売上額を計算式に入れなければならないため、広告主は広告代理店へ売上を共有する必要があり、ここの連携が取れていないとROASを追っていくことができません。なので、日々の広告運用の中で広告費と獲得数のみで算出することができるCPAを中間KPIとして使用することが多いです。
まとめ
あえて先にROASを説明したかったです。
広告のこと知ってる人からしたら、「なんでフクロウは先にCPAから説明しないんだ?下手くそか?」って思ってるかもしれないけど。
個人的にCPAとは「結果」だと思っていて、サービス事業者(クライアント)が求めているのは利益(≒売上)だという認識があるとどのステークホルダーになっても立ち回りが上手に行くと思います。
つづく